「SCEの提言 ~再成長への布石~」Part4
「ゲームやろうぜ」

SCEは最近、ゲーム啓蒙活動の一環として「諸兄、ゲームやろうぜ!」というホームページを開設し、50代以上の団塊の世代向けに様々なゲームの紹介を行っている。今後SCEは「諸兄、ゲームやろうぜ!」をキャッチコピーとして、CMやプロモーションなどで使用していくという。

この動きを見ても分かるとおり、SCEは大人の取り込みに躍起になっていると言える。SCEが「PlayStation Meeting 2003」において「出荷時期の集中」を改善するようにソフトメーカーに求めたが、現状の市場環境のまま単に出荷時期を平準化しただけではメリットは得られない。出荷時期が分散されることで、クリスマス商戦での競合を避けられるメリットがある一方で、他の時期に競合が発生し、販売不振などの弊害が生じる可能性も大いに考えられるからだ。

ソフトがクリスマス商戦に向けて大量投入されている現状を変え、なおかつ他の時期にも競合が生まれないようにするためには、これまでのようにゲーム市場における中心的な顧客が子供ではいけない。平準化によるメリットを享受するには、何としても大人の存在が必要になるのだ。

現在、SCEの思惑通りに大人が顧客層の大きな部分を占めるゲームがある。それは、今後かなりの成長を見込まれているオンラインゲームである。このジャンルのゲームを遊ぶためには、ソフトの購入代金の他に毎月の会費など、それなりの経費が必要になる。子供の購買力だけでそれを賄いきるのは非常に難しい。大人のユーザーが多くなってしまうのは、そういう背景もあるだろう。

SCEはこのオンラインゲームの普及に積極的になっている。オンラインゲームを提供するソフトメーカーの負担を少しでも軽くするために、徴収予定であった『月額利用料の一五%』(注2)を当面の間無料にするなどの支援策を打ち出している。その効果があったのか、PS2でプレイすることができるオンラインゲームは、次第に増えつつある。

このようにSCEの最近の言動をみると、子供より大人を重視し始めたと言えるだろう。それは、ゲーム市場の新たな成長源を大人に求めている結果だと考えることが出来る。これまで急拡大してきたゲーム市場を支えてきたのは、子供たちである。しかし、その子供たちはいま息切れを起こしている状態なのだ。ゲーム市場が今後さらなる成長を達成するためには、新たな牽引役として大人の力が必要だとSCEは考えているのだろう。

SCEはこれからも、大人を取り込むための施策をさらに打ち出してくると思われる。SCEの試みは、まだ始まったばかりだ。


注2…2003年3月18日 日経産業新聞

(おわり)

(ライター:菅井)

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