「シリーズ化を考える ~続編歓迎論~」Part1
「続編批判」

プレイステーション2(PS2)の累計生産出荷台数がついに5000万台を超えた。発売からわずか3年弱での5000万台達成は、PS1よりも『約1年2ヶ月早い』(注1)という。その効果をはっきりと見て取れるのがソニーの第3四半期決算である。2002年4月から12月までの同社ゲーム部門の営業利益を見てみると717億円であり、前年同期と比べると7.9%の増加を記録した。ソニーグループは第3四半期決算としては過去最高の純利益(約1200億円)を稼ぎだしたが、ゲーム部門はエレクトロニクス部門(821億円)に次ぐ営業利益を稼ぎだし、PS2が大きく貢献した結果となった。

PS2がハイペースとも言える速度で普及し、ソニーに大きな利益をもたらしているにも関わらず、国内ゲーム市場の景気は良くない。PS1が次世代ゲーム機戦争に勝利し、国内ゲーム市場が最盛期にあった1997年以降、ゲーム市場の規模は年々、縮小する傾向にある。97年から2001年までのゲームソフト市場の成長率は平均すると年間で『マイナス5%』(注2)であり、特に『2001年は前年度比10.8%減の3685億円』(注3)と大幅なマイナスを記録した。

このような環境下でソフトメーカー等は活発に、市場縮小の「原因」探しをするようになってしまった。まず槍玉にあがったのは「中古ソフト」だ。『発売直後から中古が出回ると新作が売れなくなる』(注4)という傾向と『中古流通市場は二千億円弱』(同)だとする数字を持ちだして、現在の不況原因を中古市場の存在に求めた。

さらには若年層を中心に幅広く普及し、多くの日本人が保有している「携帯電話」も不況を生み出した原因のひとつだと指摘された。『携帯電話の普及率、またそれにかかる費用を考えると、携帯電話にゲーム業界が食われたかなと思います』(コナミ北上専務 注5)。

ただ、今の不況がこうした要因のみによって引き起こされたとは思われていない。ゲーム業界自体がマンネリ化したことが不況の原因になっているとの意見も多い。人気シリーズの続編ばかりが市場に溢れて業界のマンネリ化が進み、それがユーザー離れに繋がったという指摘は、決して少数意見ではない。

『2000年以降の百万本を超えるような大ヒット作には人気のシリーズ作品がずらりと並ぶ』(注6)。それを評して『ゲーム業界はネタ切れだ』(注7)と山内任天堂前社長は言う。マンネリ化が進んでいるその背景には『有力作の平均的な制作費は五億円前後にもなり、ゲーム会社は制作費が回収できないリスクを嫌う傾向が強まっている』(注8)ことが理由としてあげられている。

ある程度の販売本数が見込める続編に頼る経営姿勢が問題であり、ゲーム市場不振の原因のひとつだとする批判は多い。だが、不況が続いている環境にあり、シリーズ化への批判がある今だからからこそ、続編の有用性に目を向ける必要があるのではないだろうか。今回は、マンネリ化の象徴とも捉えられつつある“続編”について考えてみることにしたい。

(注1…ソニーコンピュータエンタテインメントプレスリリース 2003年1月16日)
(注2…日経金融新聞 2002年11月29日)
(注3…日経産業新聞 2002年11月7日)
(注4…日経産業新聞 2002年4月30日)
(注5…「週刊ファミ通1月25日号」 P120 エンターブレイン 2002)
(注6…日経産業新聞 2002年3月1日)
(注7…日本経済新聞 2002年6月3日)
(注8…日経産業新聞2002年11月7日)

(つづく)

(ライター:菅井)

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