「豪語する人々~その訳は~」Part4
「個人的性格」

ゲーム業界に属する企業のトップ同士が激しい舌戦を繰り広げることは良くある。しかしながら実際は、誰もが自分の所の製品が一番優れていて他社製品に劣るわけがない、と言い合うだけであるから、舌戦と表現するよりただの「口喧嘩」と言った方が良いのかもしれない。それでも、彼らが豪語し、舌戦を仕掛けるのはそれに見合うだけの価値と意味があるからなのだ。

ただ、それ以外に理由がないか、と問われればない訳ではない。トップ達が大言を吐く理由を他に求めるとするならば、最後に性格上の原因があろう。つまり、彼らが大口であるのは、単なる性格的なものであると推測することもできるのだ。それを証明するのは難しいことでもあるが、否定するだけの根拠もない。豪語する理由のひとつとしての可能性はあると言えるだろう。

もし、性格が主たる原因だとするのであれば、今後のトップ同士の舌戦が起きることは少なくなるかもしれない。なぜなら、これまで舌戦の主役であり、企業のトップとして活躍してきた人達が次々と引退しているからだ。セガの中山氏はかなり前に社長職から退いているし、任天堂の山内氏も今年引退を決意し、任天堂は山内氏のワンマン経営から集団指導体制に移行している。こうした流れは止め様も無く、その他でもナムコの中村氏、エニックスの福島氏なども社長の立場から退いている。確かに、人はどうしても年をとるものであるから、トップと言えども引退するのは自然の成り行きではある。仕方のないと言ってしまえばそのとおりであるが、彼らの大口が個人的な性格に由来しているのであれば、この事態は舌戦の消滅を意味することになろう。

なぜなら、次なるトップ達が必ずしも強烈な個性の持ち主だとは限らないからだ。おとなしい人物がこれからトップになることも充分に考えられる。その時、これまで通り激しい舌戦が繰り広げられるだろうか。大口を叩くのがもし個人的な性格が主な原因であれば、残念だがそれは難しいと思われる。

傍から聞いているユーザーにとって、トップ達の舌戦は面白いものだった。ゲーム業界全体を盛り上げる一種のスパイスのようなものであったと言っても良いだろう。だが、そのスパイスがトップ達の引退によって消えてしまう可能性が出てきている。

インタビューを行った人間から『“勝てば官軍”の進軍ラッパ』(注12)とも評された山内氏のような強烈な個性を持った人物が再び現れるのか。山内氏並みの心地よい進軍ラッパを吹ける人物がこれから登場することを切に期待している。

注12…「NHKスペシャル 新・電子立国 第4巻 ビデオゲーム・巨富の攻防」 P354 著相田茂・大墻敦 日本放送出版協会 1997

(おわり)

(ライター:菅井)

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