【コラム】「ゲーム業界の構造改革 ~悪癖と宿命との決別~」part1
「ゲーム業界の七癖」

人の持つ、幾つかの癖のことを「七癖」と言う。「無くて七癖」とも言われるこの慣用句はあまりにも有名すぎる言葉である。だが、「七癖」は人にだけに通用する狭い範囲の意味しか持たない慣用句では無いであろう。複数の人間が集まって構成される組織や団体・集団にも「七癖」と呼ばれるものがあると考える。そこには人が関わっているのだから、当然の事なのかもしれない。例えば、「社風」や「家風」という単語はその組織・団体だけが持つ独特な気風を指している。これは言い方を替えれば、「癖」とも表現できるのだから「七癖」は人以外にも通用する言葉であると言える。では、ゲーム業界にはどんな「七癖」があるのだろうか。

ゲーム業界の「七癖」の一つであり、そして最も悪い癖が「ゲームソフトの発売日の延期癖」だ。この延期癖は業界を支えるゲームユーザーから忌み嫌われている癖でもある。発売日を延期するゲームソフトは人気作にその傾向が強い。特にエニックスの「ドラゴンクエスト」シリーズ、スクウェアの「ファイナルファンタジー」(FF)シリーズは延期を繰り返すソフトとして有名だ。延期に延期を重ね、発売日が当初予定していた発売時期から大きくずれるのは珍しくない。両作品ともエニックス・スクウェアを支えていると言って良いほどの大人気ソフトだけに、発売日の延期が企業業績に深刻な打撃を与える事態も過去にはあった。業績がソフトの発売延期によって突如として変更され、迷惑を被るのは投資家だ。彼らもまたゲームユーザーと同じように延期癖を忌み嫌う。

もちろん、ソフトメーカー側でも延期癖を何とか無くそうと努力しているようだが、あまり目に見えた効果が表れてきてはいない。事実、スクウェアの「FF」シリーズの最新作「FF11」も当初の計画から遅れ、2002年5月発売予定に延期されている。同社は2002年3月期に150億円を超える赤字になると見込まれており、経営再建が急がれるが、その骨子は和田新社長が言うように『プロジェクトごとの利益や納期を明確にし、コスト増に歯止めをかける』(2002年1月10日 日経金融新聞)ことなのだ。それにも関わらず「FF11」は延期される。ゲーム業界の「悪癖」克服は容易ではないのだ。

だが、そんな業界の中で異色のソフトメーカーも存在する。このソフトメーカーでは過去5年ほどでわずか1~2作品しか発売を延期しなかったという。延期が当たり前の業界では特異な存在だ。そのメーカーとは「デッドオアアライブ」(DOA)シリーズを抱えるテクモだ。今回のコラムでは、ゲーム業界が抱えている大きな問題について、独自に解決策を見つけ出した二つのソフトメーカーを取り上げることにしたい。まず、最初に俎上に載せるのが延期癖を見事に克服したテクモであり、次にゲーム業界の宿命とも言える「不安定さ」による悪影響を無くそうと奮闘しているコナミである。

折りしも、日本経済の構造改革の必要性が声高に叫ばれる中、両社が始めたゲーム業界の構造改革に着目するのは少々面白い事なのかもしれない。

(つづく)

(ライター:菅井)

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