【コラム】「膨らむ宣伝費 ~その功罪~」Part4
「淘汰の時代」

ソフトが売れない時代にあって、ソフトメーカーは苦しい経営を迫られている。それは、ゲーム機の高性能化に伴う開発費の上昇で、コストが膨らむ一方で、ソフトが売れなくなったからだ。しかも、宣伝が、ゲームが売れるための必須の条件になりつつある状況下では、ソフトメーカーの経営を更に圧迫する。開発費は何とか負担できても、宣伝費に大きな資金を投入できないようなソフトメーカーはこれまで以上に苦しむだろう。

そんな状況を知ってか知らずかコナミの上月影正社長はこう語る。『エンターテインメント業界は淘汰の時代に入った。今後数年で業界内の色分けが進み、二極、三極に再編される。コナミもシェア拡大のための基盤強化が急務だ』(2001年7月27日 日経産業新聞)。上月社長は常々「エンターテインメント業界は再編される」と主張してきたが、その根拠として開発費や宣伝費の高騰で資金不足に陥るソフトメーカーがこれから数多く出ると考えているからであろう。確かに、ゲーム業界の現状を振り返れば上月社長の予測は現実的なものであると思える。力を失ったソフトメーカーはゲーム業界から去るか、他のメーカーなどに支援を受けてそこに留まり続けるか以外に道はないのだから。

こうして見ると、これから起きるであろう宣伝費の高騰は確実に、上月社長の予測する「業界再編」を促していると言えるのではないだろうか。開発費だけではなく、宣伝費も高騰すれば、それだけ多くのソフトメーカーが淘汰の対象になる。なぜなら、ゲーム業界を取り巻く環境の変化が、宣伝費の増加を引き起こし、その宣伝費の増加が体力のないソフトメーカーをさらなる苦境に立たせるからだ。これまでは、開発費が不足し、ゲームの開発ができないソフトメーカーが淘汰されてきたが、これからは宣伝のできないソフトメーカーが業界から淘汰される時代になりつつあるのだ。そんな折、2001年10月29日付の日本経済新聞は、シリーズ合計100万本の販売実績を誇る「ラングリッサー」シリーズを抱えるキャリアソフトがアトラスに買収され、完全子会社になったと伝えた。業界再編は静かに、そして着実に進んでいるのであろう。

ゲーム業界はもはや優れた開発力を持っているだけでは生き残れない場になってきた。開発力だけでなく、宣伝力も兼ね備えているソフトメーカーでなければ、業界に留まり続ける事が困難な状況に変わってきたのだ。

小規模ソフトメーカーには、嫌な時代が訪れることになる。

(おわり)

(ライター:菅井)

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