【コラム】「子供を狙え ~メーカーの未来志向~」Part2
「現在と未来」

子ども市場にソフトメーカーが注目する理由は大きく分けて二つある。まず、一つ目の理由だが、これを知るためには高齢化社会と少子化という社会的なキーワードを読み解かねばならない。

現在の日本は急速に高齢化の波に飲まれている一方で、少子化が進んでいる。ある試算では、このままの状態が続くと、2025年には日本人の四人に一人は65歳以上の高齢者で占められるとされている。反対に、一人の女性が生涯に産む子どもの数の平均は二人に届いておらず、子どもの数が減少していく少子化現象が進んでいる。

高齢化と少子化が同時に進む状況下にあっては、一家の中に大勢の大人と、子どもが一人という家族構成が当たり前になってくる。そうなると、一人の子どもに対しては『6つの財布』(2001年2月15日 日経流通新聞)が付いてくることになる。6つの財布とは、父・母・祖父母(父方と母方)の6人のそれぞれの財布の事だ。つまり、少子高齢化現象は、一人の子どもに対しての支出の割合を以前よりも高くさせているのである。だから、ソフトメーカーはこの6つの財布を目当てにして、子ども市場に大きな注目をし、力を入れているのである。

ソフトメーカーが子ども市場に注目する二つ目の理由としては、将来を見据えた投資という意味合いもある。一つ目の理由は子どもの背後にある6つの財布をターゲットにすることで、今すぐに利益を得ようとする“現在の利益”を重視した理由だったのに対し、今回の理由は将来的な利益を得るためのものだ。では、将来的な利益とは一体なにか。それは、子ども達を次世代の顧客として育成することで、将来彼らがもたらしてくれるであろう利益の事だ。

セガトイズの大人気商品「ピコ」。この「ピコ」は『絵本やペンを組み合わせた子ども向けのコンピューターで、テレビ画面と連動させて遊ぶことができる』(2001年7月12日 日経流通新聞MJ)電子知育玩具であるが、最近はパソコン接続キットを用いることでインターネット上の「ピコタウン」に入場できるようになった。「ピコ」をパソコンに接続させた狙いは『パソコン教育が小学校にも広がってくるのを見据え、小さいころからパソコンに慣れてもらおう』(同)とするものである。要するに、幼いころからパソコンに触れさせる事で、パソコンに興味を持ってもらうことが大きな目的なのである。

このような目的はゲームにも当てはまる。つまり、ソフトメーカーは子どもを幼いころから「キッズステーション」やゲームセンター内にあるゲームコーナーなどで、ゲームに触れさせる事で、ゲームに興味を持ってもらい、ゲーム業界の次なる顧客になってもらいたいと考えているのだ。今は、遊びが一層多様化し、ゲーム以外にも子ども達の間で人気になる面白い遊びは数多くある。一例を挙げれば、コナミの「遊戯王」に代表されるトレーディングカードやタカラの「ベイブレード」など。必ずしも、ゲームが子ども達の遊びとして選ばれる保証はどこにもないのである。だからこそ、ソフトメーカーは、次の顧客になるであろう子どもに、幼いころからテレビゲームやゲームセンターに触れ親しんでもらい、ゲームは楽しいものだと実感してほしいのだ。そうなるためには、子ども市場に力を入れ、子どもを顧客とすべく育成していかねばならない。その育成法のひとつがゲームソフト「キッズステーション」であり、ゲームコーナー「キッズスタジアム」「キッズパーク」なのである。

結局、ソフトメーカーは子ども市場に注力することで、現在の利益と将来の利益という二つの効果を狙っているのだ。

(つづく)

(ライター:菅井)

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