【コラム】「メーカーの新たな試み 脱ゲーム事業化の果てにあるもの」Part2
「収益安定化」

ソフトメーカーがゲーム事業以外の新規事業を行う理由は、企業としての収益の安定を目指すためである。ゲームビジネスは基本的にハイリスク・ハイリターンであり、大きく利益を上げられる可能性がある反面、大失敗する危険性も孕んでいる。これは、ゲームが遊びのひとつであることに起因している。人は皆、遊びには楽しさを求めていることは疑いようも無い事実である。そのため、つまらない遊びより、面白い遊びの方を常に欲している。言い換えると、面白い遊びは受け入れられ、つまらない遊びは見向きもされないことでもある。

このような選別は、ゲームソフトも同じである。面白いソフトならば、人々の間で人気となり、上手くいけばミリオンセラーも夢ではないが、反対に面白くも可笑しくもないソフトならば、その存在を世に殆ど知られる事なく消え去ってしまう可能性が高い。『ゲームソフトはヒットするかしないかの二つに一つ。』(2001年5月18日 日経産業新聞)と主張するあるソフトメーカーの幹部のことば通り、ゲームソフトは当たりか外れかしかないのである。だから、ゲームビジネスはハイリスク・ハイリターンと言われるのだ。

ゲームビジネスを行う以上は、このビジネス特有のハイリスク・ハイリターンに良くも悪くも振りまわされることになる。つまり、ヒット作の有無によって企業全体の収益が上にも下にも大きく振れてしまうのである。最近の具体例では、娯楽機器やゲームソフトを手がけているアトラスが良い例であろう。アトラスは96年から97年にかけて写真シール機「プリクラ」を大ヒットさせ、97年3月期には40億円を超える利益を生み出したことがある。しかし、その後にプリクラの次のヒット作を作り出せず、プリクラブームの終焉によって2年後の99年3月期には逆に60億円を超える巨額な赤字を計上している。

このように、ゲームビジネスはヒット作があるか無いかによって大きく収益が変動してしまうのである。これを少しでも改善し、大赤字に陥ることなく、常に黒字にする状態にするためにはゲームビジネス以外で収益を見こめるビジネスを行う必要があったのだ。だからこそ、各ソフトメーカーはゲーム事業で得た技術などを、ゲームビジネスではない映画事業やパチンコ・パチスロ事業などに投じて、収益を増やそうとしているのである。

結局、ソフトメーカーの新規事業への進出は、収益が事前に予想しにくいゲーム事業だけでなく、それ以外の事業を手がける事によって、収益を稼ぐ方法を複数化し企業全体としても業績の安定化を図るための対応策だったのである。

(つづく)

(ライター:菅井)

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