「老舗の逆襲 ~新携帯ゲーム機の狙い~」Part4
「危機感」

任天堂がニンテンドー・DSを開発した目的とは、ゲーム離れを起こしてしまった大人のユーザーに対してゲームのおもしろさを再認識してもらい、もう一度ゲーム市場に帰ってきてもらうことにある。そのために新たなゲーム機の開発が必要になり、ニンテンドー・DSが作られたと言えるのだ。

大人は子供と比べて時間的な余裕があまりない。そんな大人が気軽にゲームを遊ぶためには、テレビの前でしかゲームができない据置型の家庭用ゲーム機ではなく、いつでもどこでもゲームができる携帯ゲーム機の方が良い。携帯ゲーム機こそが、実は最も大人に適しているゲーム機なのである。だが、携帯ゲーム機が良いからと言って、GBAをそのまま利用することはできない。なぜなら、GBAは「子供の玩具」というイメージが出来上がってしまっているからだ。だからこそ、任天堂は大人向けとして、新たな携帯ゲーム機「ニンテンドー・DS」を開発したのである。

任天堂がこうした対策に乗り出したのは、ゲーム市場の縮小に危機感を覚えたという理由もあろうが、それだけでないだろう。市場縮小から垣間見える「将来への危機感」も背景にあったからではないだろうか。つまり、任天堂はこれからもゲームを楽しんでいた多くのユーザーが年齢を重ねるにつれて、ゲーム離れを起こしてしまう可能性があることに、危機感を覚えたのではないだろうか。現在起きている「大人のゲーム離れ」が一時的な事例で終わる保証はない。いまはゲームに夢中になっている子供たちも将来、必ず大人になる。その時、彼らもゲームから離れてしまうことは、現状を鑑みれば十分に予想できてしまう。

一方で、子供の数は確実に少なくなってきている。そうなった時、子供だけに頼る収益構造では、ゲーム業界は必ずや縮小均衡に追い込まれる。任天堂はそういったことも打開するためにニンテンドー・DSを開発したのだ。同社がニンテンドー・DSにかける期待は大きいことだろう。

そもそも、任天堂にとって携帯ゲーム機とは、過去にあった会社の危機を救ってきてくれた存在である。1970年代後半に任天堂がオイル・ショックなどの影響で危機的な状況に陥った時、同社の窮地を救ったのが1980年に発売された携帯ゲーム機「ゲーム&ウォッチ」である。発売以後、国内外で3000万台以上を売り上げた「ゲーム&ウォッチ」は、『山内社長が“もうつぶれる”といわれているほどの危機』(注12)から任天堂を見事に立ち直らせたのである。さらには、家庭用ゲーム機市場のシェア争いでSCEに大差をつけられた際にも、任天堂を支え続けてきたのがゲームボーイやGBAなどの携帯ゲーム機であったのだ。もちろん、2003年9月中間期の『利益のかなりの部分はアドバンス事業』(前出)から生まれたものである。任天堂にとって、携帯ゲーム機は同社の危機を救い続けてきてくれた救世主ともいえる存在なのだ。

今回も任天堂は縮小を続ける市場活性化の切り札として、偶然かもしれないが新しい携帯ゲーム機を発売する。もしかすると、ニンテンドー・DSは市場を活性化させるだけではなく、任天堂を再びゲーム市場の王座の地位に押し上げるかもしれない。

ニンテンドー・DSに賭けた任天堂の逆襲は、これから始まろうとしている。

注12…『日本のビッグ・ビジネス21 任天堂・セガ』 P85 著逸見啓・大西勝明 大月書店 1997年

(おわり)

(ライター:菅井)

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