「任天堂の不作為 ~批判の裏側にある事実~」Part1
「ハイテク詐欺師」

今年もコンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催する国内最大のゲームの展示会「東京ゲームショウ」が9月26日から3日間開催された。東京ゲームショウの入場者数は年々増加傾向にあるが、今年も約15万人が来場し『前年比一二%の増加』(注1)を記録した。市場規模の伸び悩みとは裏腹に、東京ゲームショウの『入場者数の増加は三年連続』(同)である。

今年の東京ゲームショウには過去最多の111社の参加があり、特にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)やマイクロソフト、さらには韓国のゲーム会社などが自社ブースでオンラインゲームを多数展示し、入場者に大々的にアピールしていたという。各社ともこれから成長が期待されているオンラインゲームに力を入れていることが、ここからも分かる。

そんな中、オンラインゲームに懐疑的な見方をする人もいる。ゲームショウで基調講演を行った任天堂の岩田社長もその一人だ。講演の中で岩田氏は、一つのジャンルとしてのオンラインゲームの可能性は認めながらも、それだけを礼賛する人間に対しては『ハイテク詐欺師』(注2)と同等であると批判した。さらに、現在「ファイナルファンタジー11」などで用いられている月額会員制での運営方式にも言及し、そういったやり方で成功しているゲームは一部であり、成功する確率は低いだろう、とも述べている。

「ハイテク詐欺師」という過激な表現を用いて、オンラインゲームを批判した岩田氏の講演は、山内前任天堂社長のそれを彷彿とさせる。いかにも山内氏の後継者らしい演説だと言えるだろう。しかし、任天堂の社長が、舌鋒鋭く批判を繰り広げたことを“いつもの光景”だと受け流しても良いものだろうか。

任天堂の今期(2004年3月期)の中間決算は円高の影響により、事前の予想に反して赤字に転落した。為替の影響が最大の要因であるため、この赤字決算が単純に本業の不振を意味するわけではない。

しかし、中間決算で赤字に陥ったのは上場以来初めてなのだから、同社の経営陣は先行きをそれほど楽観視しているわけでもないだろう。その任天堂が、わざわざ東京ゲームショウの基調講演にて、いま勃興期にあり、将来の急成長が期待されているオンラインゲームを声高に批判したのだ。オンラインゲームには将来性があるのだから、それを次なる収益源として手掛けるのは、任天堂にとって悪い話ではない。それなのに、このような痛烈な批判を繰り広げるのはなぜか。もしかすると、任天堂にはオンラインゲームを批判しなければならない理由があるのではないか。

今回は、任天堂がオンラインゲームを批判する背景について考えてみることにしたい。

注1…2003年9月30日 日経産業新聞
注2…2003年9月29日 日経産業新聞

(つづく)

(ライター:菅井)

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