「SCEの提言 ~再成長への布石~」Part3
「ターゲット転換の必要性と容易さ」

SCEが、ソフトの出荷時期が偏らないようにするべきだと提言を行った背景には、子供に依存し続けてきたゲーム市場の体質転換を図る必要がある考えていたからだろう。確かに、ソフト出荷時期の平準化の試みは、顧客層の中心を大人へと転換しなければ成功は難しいように思える。しかし、今後も子供たちの購買力が増加しにくいのであれば、実質的な購買力を高めるような施策を、SCEなどが行えば良いのではないか。そうすれば、特に大人を頼ることなく、新たな成長路線を描けるのではないだろうか。

実質的な購買力を高める方法とは、例えば購入ソフトの本数を増加させるためにソフトの低価格化を進める、もしくは遊び終えたソフトをスムーズに中古として売却できるような環境を整備し、遊び終わったソフトの売却先としての中古市場の利用を活発化させる、などである。だが、これらの方法を実行に移すのは簡単ではない。

もちろんソフトの価格低化によって、販売本数の増加が見込まれるかもしれないが、開発費の高騰に悩むソフトメーカーがそう易々とソフトの低価格化を受け入れるかどうか疑問である。価格が安くなれば予想以上に販売本数が増え、最終的な売上が以前より上がる可能性もあるが、同様に減るリスクも大きい。ソフトメーカーとしては、販売本数が増えることよりも、売上が増える方が良いはずだ。ならば、わざわざリスクを抱えてまで、ソフトの低価格化という冒険を冒すだろうか。

中古市場の利用を活発化させる方法も実行は困難だろう。なぜなら、従来からソフトメーカーは「中古の存在が新品の売上を圧迫している」と主張し続け、中古市場の存在をあまり快く思っていないからだ。基本的に、今でもその考えに変わりはないだろう。そんな中で、ソフトメーカー側が中古市場の利点を認識して、積極的に支援する方に回るとは思えない。ソフトメーカーの協力が得られないのであれば、中古市場を利用した実質的な購買力の底上げを達成するのは難しいだろう。

そう考えると、子供だけを対象にしたやり方で平準化のメリットを生み出すには、かなりの困難が伴う。それほどまでに大変な労力をかけて、子供だけを対象にし続けるよりも購買力のある大人をターゲットにした方が楽に目的を達成できる。現状をなるべく維持したままで、平準化のメリットを生み出すためには、やはり大人の存在が必要なのである。

(つづく)

(ライター:菅井)

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