「セガの未来 ~歴史は語る~」Part3
「破談の可能性」

1990年代後半から、毎年のようにCSKの業績の足を引っ張るセガ。CSKグループに所属しているために、セガの損益が同グループの決算にも大きな影響を与えている。5期連続最終損益が赤字に陥っているセガをどのように扱うのかは、CSKの重要な問題になっていたと容易に想像できる。CSK主導による今回のサミーとの統合は、同社の「セガ対策」の結果だと言えるだろう。

だが、サミーとの統合は決して「確定」したものではない。合併の事実を『セガ関係者で知っていたのは佐藤秀樹社長ただ一人だったという』(注4)ことが真実であれば、セガ社内で事前の合意があったとは考えにくい。過去にセガはバンダイとの合併を発表をしながら、結局合併解消になった苦い経験がある。その時のことを考えると、今回の統合も実現性を問いたくなるが、セガの佐藤社長は『(バンダイとの合併は)一部の人間関係で話が進んでしまった。前回のような悪夢は起きない』(注5)と述べ、破談の可能性を否定している。

だが、統合を強力に推進したのがCSKであり、その事実を知っていたのは佐藤社長のみであるならば、今回の統合も一部の人間だけで話が進んでしまっていると言えるだろう。これではセガとサミーの統合が実現するのかどうか疑問を持ってしまう。その中で、エレクトロニック・アーツ(EA)がセガに出資する可能性があると2003年3月1日付の日本経済新聞が報じている。サミーとの統合交渉が不調に終わるようであれば、EAが新たなパートナーになる可能性も指摘している。

さらにあのマイクロソフトでさえ、その候補である。ディーン・タカハシ氏の著書『マイクロソフトの蹉跌』(注6)には、過去にマイクロソフトはセガにこんな提案をしたことがあると記述されている。『セガはマイクロソフトから十七億五千万ドルを超える資金援助を得て、ロールプレイングゲームのトップメーカーでライバルのスクウェアを買収する』(注7)。この提案に対し、セガはマイクロソフトの申し出を断ったという。当時のセガは『マイクロソフト傘下のソフトメーカーに収まることに、ほとんど興味がない』(同)ことが理由だったそうである。実際にこうした買収提案がなされたのか分からないが、事実であれば、これから先マイクロソフトにもセガを手に入れる可能性はあると言えよう。

しかし、セガにしてみれば誰が統合相手になってもあまり関係ないと言えるだろう。仮にサミーではなくEAでもなく、マイクロソフトになったとしても、それほど影響があるとは思えない。なぜなら、過去の歴史を見ればそれほど事業の関連性のない企業でも、セガは自らの成長の糧にしてきたからだ。ジュークボックス製造・販売が主体であった企業がローゼン・エンタープライゼスとの合併を機に、ゲームセンター運営に深く関わるようになり、アミューズメント関連事業で大きく成長した。さらに異業種とも言えるCSKによる買収によって、セガは上場企業となり、アミューズメント関連への積極投資にも耐えられる資本力を強化したのだ。体質の違う企業でも、合併相手の企業に何かしらの特長を見つけ、それを活かしてきたのがセガである。そうであるならば、セガの統合相手がサミーでなければならないという理由はどこにもない。体質が違うところであれば、統合相手はどこでも良いのだ。セガの相手が今後かなり変動することは十分に考えられる。

(注4…前出)
(注5…日経金融新聞 2003年2月14日)
(注6…『マイクロソフトの蹉跌』 著ディーン・タカハシ 訳永井喜久子 ソフトバンク・パブリッシング 2002)
(注7…同書P470)

(つづく)

(ライター:菅井)

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