「流通改革 ~自社流通化の副産物~」Part3
「利点」

ソフトメーカーによる自社流通化が、パブリッシャー機能を持たせる契機になったわけだが、それはソフトメーカーに何をもたらすのであろうか。それを解くヒントに、パブリッシャーとしての業務を専門に行っている企業の主張を聞いてみることにしたい。その企業とは、低価格ソフト「シンプル1500」シリーズを主力にしている「D3パブリッシャー」である。

D3パブリッシャーは、自社に開発部門をまったく持たずにソフトを販売している企業だ。同社の伊藤社長は開発部門をもたないという自らの特長について、こう語っている。『開発部門を自社で持ってしまうと得意なジャンルが固まり商品が偏ってしまいます。また1つのソフトが成功すると経営で開発部門の発言力が高まってしまう。高い人気を得たゲームソフトが開発できれば、まず次回作は開発費を倍にしてくれ、という話になる。開発費を半分にして更なるヒットを目指す、という人はまずいません』(2002年3月8日 日経産業新聞)。『ゲームの企画・マーケティングに特化することで、時流にあった作品を素早く提供できるのが強みだ』(2002年3月4日 日経金融新聞)。彼が言うパブリッシャーの利点とは、大きく3つに分けられるだろう。まず、発売するジャンルが偏らないこと。次に、開発費の膨張に歯止めが掛けられること。そして最後に、流行に敏感に反応できること、の3点であろう。

発売するタイトルのジャンルの幅が広いことは、ユーザーにとってもパブリッシャー化するソフトメーカーにとっても良いことだ。ユーザーにしてみれば、それだけ選択肢が広がるのであるし、ソフトメーカーには発売タイトルの増加として表れる。必要数を確保するのがひとつの目標であるソフトメーカーには広範囲のジャンルは発売タイトル数の増加を意味するのであるから、願っても無いことであろう。

同様に、開発費の低減もユーザーとソフトメーカーの両者にとって良いことである。なぜなら開発費を低くできれば、ソフトメーカーとしては開発に関わるリスクが低くなるだろうし、ユーザーにとってはソフトの売価が低くなるからだ。D3パブリッシャーから発売されるソフトが安いのは開発費が低く抑えられているからであろう。つまり、開発費が安いことで、ユーザーはそれだけ恩恵を受けられるのだ。

このように、ソフトメーカーがパブリッシャー機能を帯びることで、ユーザーにもソフトメーカーにも利点があるのだ。パブリッシャー化はソフトメーカーはもちろん、ユーザーにも利益をもたらしている。

(つづく)

(ライター:菅井)

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