「PS2、勝利宣言 ~ソニーの事情~」Part3
「空回り」

ソニーグループの成長戦略にゲームなどのコンテンツ事業は欠かせない。ならば、SCEはゲーム機戦争で負けることは絶対に許されないはずだ。しかし、勝利宣言をした所でライバルである任天堂やマイクロソフトは市場から撤退してくれるわけではない。常にSCEの寝首を掻こうと手ぐすねを引いて待っているのだ。特にマイクロソフトなどは、平井発言には『一番になるまでやめない』(2002年6月12日 日本経済新聞)と反発しつつ、同時にオンライン接続の概要を発表してPS2への対抗心を一層燃やしている。ソニーへの反発は、任天堂も同様だ。

明確な勝利を欲しているソニーにとって、“勝利宣言”は勝ちを確定させる絶好の機会であった。だが、勝ったと宣言するだけでは駄目だ。当然、PS2を勝たせるためのそれなりの施策が必要だ。そのひとつが本体価格の値下げであろう。ソニーはPS2の本体価格をこれまで段階的に引き下げてきたが、おおよその予想通りに下がってきている。ソシエテ・ジェネラル証券のレポート(注1)には、PS2の本体価格は2000年から2003年までに、39800円(2000年)、35643円(2001年)、28500円(2002年)、24000円(2003年)と徐々に引き下げられると記載されていた。実際の価格もこの予測とさほど変わらずに値を下げてきている。現在では、およそ28000円程度であるから、この予測通りだと来年までにはもう一段の値下げ攻勢があると見て間違い無いだろう。しかし、今年五月にSCEがPS2の価格を引き下げた際には、マイクロソフトや任天堂はそれに対抗するべく、XboxとGCの価格の値下げを行っている。さらに、値下げ効果が両ハードの普及速度を早めたと言うのだから、ソニーにとっては皮肉な結果になった。ソニーはできるだけ早くにゲーム機戦争を終わらせるべく、値下げを敢行したのに、それが逆に激しい戦争の口火を切ることになっては身も蓋も無い。

将来、PS2のもう一段の値下げがあるとしても、今年の五月に起きた現象と同じ結果が表れる可能性が高い。それだけに値段だけの競争ではどうしても限界がある。今のところソニーの試みは空回りしているようだ。

(つづく)

(注1・・・「ソシエテ ジェネラル証券 レポート ソニー(6758)」 2001年5月1日)

(ライター:菅井)

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