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【コラム】「ようこそ、ゲーム業界へ 〜新規参入必要論〜」Part3
「“恩恵” ハード編」

ここでは、どのように新規参入者がハードの世界で利益をもたらしたのかを考えてみたい。 ハードの世界では、任天堂の「ファミリーコンピューター」(FC)シリーズ、ソニーの子会社SCEの「プレイステーション」(PS)シリーズがこれまで覇権を握ってきた。ただ、この二社はどちらも後発組、つまり新規参入者である。

任天堂のFCは、1983年に発売されその後大ヒットを記録することになるが、FCが発売される2年も前に、すでに家庭用ゲーム機は複数の会社から発売されていた。任天堂の大成功の影に隠れてしまったが、バンダイやトミー、エポックなどの玩具メーカーを中心にした10社前後の企業がすでにゲーム市場に参入していたのである。任天堂はそれらの企業から2年遅れでゲーム市場に参入したが、圧倒的なソフト開発力と後に「任天堂商法」とまで言われた独自の手法を武器に、激戦を勝ち抜きFCを大量に普及させたのだ。FCの大量普及は、ゲーム市場を急成長させる原動力になり、業界発展に大いに貢献した。

その任天堂から、覇権を奪ったSCEもまた後発組のひとつでしかなかった。SCEは任天堂商法が抱えていた問題点を突き、より良いシステムをゲーム業界に持ちこむことで、各ソフトメーカーからの支持を受け、任天堂から覇権を奪った。PSの相手には、任天堂やセガ、NECや松下などの強豪がいたにも関わらず、SCEが勝てたのは、PS用ソフト開発をさまざまな面からバックアップをしたり、ソフトの販売価格を下げながらもソフトメーカーの利益率は逆に高めるなどのソフトメーカーが利するシステムを提供したからであろう。

PS時代の到来によって、ゲーム市場はさらに拡大した。「2000 テレビゲーム流通白書」(メディアクリエイト 2000 P35)によると、PSが参入する一年前のゲーム市場の規模は4000億円台だったのに対し、PS参入後二年あまりたった96年の市場規模は6000億円を軽く超えているのだ。この急拡大のすべてがPSの参入のお陰だとは言いきれないが、PSがゲーム市場を活性化させたのは間違いの無い事実だろう。

このようにソフトやハードの分野に限らず、新規参入組の中には新しい発想を持って、ゲーム市場に飛び込み、結果として業界の発展に寄与した者は数多くいるのだ。もちろん、新規参入者のすべてがゲーム業界の発展の役に立っている訳ではない。だが、全体として新規参入組は優れた功績を残してきている。それは、過去を振り返れば分かることだ。

彼らはすでにあった業界の利益を分捕るのではなく、市場を広げた上で、利益を挙げた。この新規参入組全体がもたらした功績があったからこそ、ゲーム業界は新規参入が多くとも過当競争には陥らずに、今日まで成長路線を歩み続けてこられたのだろう。

そうなると、ゲーム業界は新規参入者をどう扱うべきなのか。

(つづく)

(ライター:菅井)

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