【コラム】「変わり行く任天堂 ~変化に迫られたわけ~」part3
「交代」

任天堂が変わりつつあるのは、山内社長の退任が間近に迫っていることも関係しているのではないだろうか。山内社長は、任天堂の育ての親であり、中興の祖でもある。彼が数ヵ月後に、その席から離れるのは確実だ。任天堂は、いまポスト山内を探しているようだが、最適な者はおそらくいない。それは山内社長自身が『これからの任天堂は1人の人間の力でどうなるものではない。集団指導体制になる』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト「“Xboxは売れない” 任天堂社長、山内溥さん」 2002年1月17日)と述べていることからもわかる。適任者がいれば、真っ先に名前をあげるはずだからだ。インタビューで後任の社長の名をあげるのを、ためらう必要は無い。その名が出てこないと言うことは、理想の次期社長候補は存在していないからだ、と考えるのが自然であろう。後任の社長が具体化していないのは、それだけ山内社長の存在が大きすぎたためだが、その一方で偉大な社長がいなくなるのは、任天堂が変わるチャンスでもある。

しかし、山内社長が退任すると言っても、任天堂には大きな変化が訪れないと見る人は多い。山内氏が任天堂を去ったとしても、実質的な影響力はそのまま残っており、これまでと何ら変わらない経営を任天堂は続けるだろう、と。確かに、社長交代を契機に任天堂の経営方針が劇的な変貌を遂げると期待するのは間違いかもしれない。任天堂は、良い意味で変わらない可能性は十分にある。

それでも、任天堂の内部では変化の息吹は着実に芽生えていると見える。今回の任天堂のソフトメーカーへの態度の変化は紛れも無く、その息吹ではないのか。任天堂は良くも悪くも、非常に個性的な山内社長をトップにしてやってきた。任天堂の方向性を決してきたのは、山内社長なのだ。彼の性格が任天堂の姿勢や態度、方向性などににじみ出ても不思議ではない。任天堂は、これまで山内社長の存在に大きく左右されてきたのだが、今後はそうではなくなる。それが例え、形だけであっても、任天堂に様々な影響を与え続けた同社のトップ、いわば“顔”が変わるのだ。何かが変わっていかなければ、社長交代の意味がないはず。任天堂の軟化には、今後訪れるはずのトップの交代が関係したと考えられるのだ。

これからの任天堂には、変革の波が覆うかもしれない。トップが交代するかしないかの時点で、すでに変化の兆しが見える組織がそのまま現状に留まっているとは思えないのだ。何かしらの改革がなされるだろう。

変わり身が早いのは組織にとって、ひとつの特長でもある。それだけ柔軟な組織だと言えるからだ。特にゲーム産業という変化が激しい環境でビジネスをしている企業にとって、柔軟な対応力を有しているのは“財産”でもある。任天堂が長年の間、世界最大のゲーム企業に留まっている理由のひとつには、この財産が関係しているのだと言ったら間違いだろうか。

(つづく)

(ライター:菅井)

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