【コラム】「GCの不戦主義 ~任天堂の非競合戦略~」part4
「残された宿題」

任天堂はGCをPS2やXboxに対抗させることを嫌った。GCを両ゲーム機とは様々な面で差別化を図り、非競合状態に持ちこんだのだ。競合する相手がいなければGCは生き残る、と任天堂は考えたからだろう。PS2が全世界で普及台数を伸ばす中で、それ以外のハードが生き残るためには、任天堂の差別化戦略は必要だったのである。任天堂の山内社長は過去にXboxのことを『競合相手とは考えていない』(日経産業新聞 2001年5月24日)と評したことがある。一般的にこの発言の真意は「XboxはGCの相手にはならない」ということだと捉えられてきたが、こうして考えると「GCとXboxはそもそも、競合しあう関係にはないのだ」と見ることも出来る。この発言は、山内社長は当時から差別化を意識していた証拠でもあると考えられるのだ。

差別化に成功し、ゲーム機市場で生き残るであろうGCは、任天堂にある変化をもたらす。任天堂にとってその変化の影響は決して小さくない。それは、山内社長の引退だ。山内社長はここ数年頻繁に社長職の引退をほのめかしている。確かに山内社長は1927年生まれの74歳。引退してもおかしくない年齢だ。氏は引退する前提として『新ゲーム機の戦略が受け入れられたら』(日経産業新聞 2001年9月19日)という漠然とした条件を掲げていた。だが、GCが成功する可能性が非常に高い今、山内社長がその職を退く日が迫ってきていると見て良い。山内氏はこう話す。『もう2年以上前から考え、今年の真ん中ぐらいまでには辞めたいと思っているが、はっきりは決めていない』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト 「“Xboxは売れない” 任天堂社長、山内溥さん」 2002年1月17日)。早ければ今年の真ん中には辞めるかもしれないと、具体的な時期まで話す山内氏。だが、任天堂を世界有数の大企業に育て上げた人物の代わりなど、そう簡単に見つかるのだろうか。国内のある証券トレーダーは『だれも山内社長の役割を代わることはできない、引退となれば社内が混乱するのでは』(同)と危惧をする。1949年に任天堂の社長に就任してから、すでに50年以上経っているのだ。誰が新社長になっても社内が不安になるのは当然だろう。それでも、社長はいつか代わる。任天堂にとって、それは乗り越えなければならない壁でもあるのだ。

GCの成功は大変喜ばしいことである。しかし、同時にGCの成功は、できれば考えたくなかった社長交代という難問を任天堂に付き付けたのだ。山内社長は、任天堂にGCと大きな宿題を残して、その座を去ろうとしている。

(おわり)

(ライター:菅井)

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