【コラム】「ときめきメモリアル3、発売へ~ゲームファンドの再評価~」Part3
「課せられた責任」

ゲーム開発資金を一般から調達する仕組みは、このときめもファンドが初めてである。それだけにこのファンドの成否がゲーム業界に与える影響は大きいだろう。

ゲームを制作する側としては、開発資金を集める方法が多様化すればするほど、リスクの分散が図れる。これまで、ソフトメーカーはゲームビジネスの不安定さをカバーするために、ソフトの発売タイトル数を増やし、総販売本数を確保するように努めてきた。証券アナリストである森本展正氏がゲームビジネスの不安定さを避けるためには『供給するタイトル数を増やし、リスクを分散すべきだ』(2001年3月2日 日経金融新聞)と語っていることからも、その戦略の有効性が分かる。しかし、今回のときめもファンドの登場により供給するタイトル数を増やし、リスクを分散するという「数によるリスクの分散」だけではなく、開発資金を別な所から調達し、リスクを極力抑えようとする「資金調達の多様化によるリスクの分散」をも出来るようになったのだ。

ゲームの開発費は、減れば減るほどソフトメーカーのリスクの低減に繋がる。なぜなら、ゲームに投資する資金が少なければ少ないほど、たとえゲームソフトが期待したほど売れなかった時でも、会社全体に与える影響は少なく抑える事が出来るからだ。リスクの分散という観点から言えば、ときめもファンドの登場により、新たに生まれた資金調達の方法は、ソフトメーカーにとって良い話であろう。

だが、ソフトメーカーがゲームビジネスにおけるリスク分散の一つの方法として、このような資金調達方法を日常的に利用できるようになるためには、それが広く定着しなければならない。では、ときめもファンドのような仕組みを定着させるためにはどうしたら良いのであろうか。

簡単に言えば、今回のときめもファンドが成功する事である。ゲームソフトが売れて、資金提供者の投資家に利益を分配することである。そうすれば、この資金調達方法は定着して行く事だろう。

反対に、ゲームソフトが売れずに投資家が損をするようであれば、定着は難しい。どうしてそうなるのかと言えば、資金を出す側の投資家が常に利益を追求して行動しているからだ。彼らはゲームへの投資が利益になるのかならないのかをときめもファンドを通じて、評価しようとしている。もし、ときめきファンドが成功すれば、ゲームへの投資は儲かるのだと考え、積極的に投資をしていくだろう。逆に失敗すれば、投資家はゲームへの投資に警戒感を持ち、投資を控えるだろう。誰も、失敗したときめもファンドの二の舞にはなりたくはないからだ。そうなれば、いくらソフトメーカーが資金を集めようと思っても、集まらず資金調達ができない状況になる。これでは、定着したとはいえない。

つまり、すべてはときめもファンドの成否に掛かっているといっても過言ではないのである。ときめもファンドは、一般の投資家がゲームに投資する仕組みの成功例を作るのか、悪しき前例となるのか、それによって彼らの考え方も決まってくる。もし、一般から開発資金を集める仕組みを定着させたいと思うのであれば、ときめもファンドは成功を納めなければならないのだ。

ときめもファンドに課せられた責任は重い。

(つづく)

(ライター:菅井)

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