【コラム】「Xboxにのせた期待 ~その落差と背景~」Part1
「沈んだムード」

マイクロソフト(MS)は、2001年8月27日に行われた「Xbox Conference 2001 Summer」にてXboxの日本発売を延期すると発表した。当初、MSはXboxの発売時期を年内としていたが、それが今回の発表によって一転、来年2002年2月22日へと変更になった。しかし、Xboxの発売延期は一部では予想されていた事態でもあった。ゲーム情報誌で業界最大手「週刊ファミ通」の編集長浜村弘一氏は、発売延期が報じられる前に『日本はおそらく年内の発売は難しい』(ブルームバーグ 「フォーラム:ゲーム機“Xbox”の国内発売は年内困難」 2001年8月24日)と述べ、今回の事態をあらかじめ予想していた。

ゲーム機の発売延期は、任天堂の山内社長に言わせれば『よくあること』(2001年8月28日 日経産業新聞)である。確かに、ゲーム業界ではハードやソフトに関係なく発売延期は日常的によくあることだ。任天堂も次世代ゲーム機であるゲームキューブ(GC)を、日本・アメリカ共に予定されていた発売時期を延期している事を考えれば、同じゲーム機であるXboxの発売延期は特に不思議では無いし、ある程度予想もされていた事でもある。ただ、発売延期は確実に業界のムードを盛り下げた。今年中に出揃うプレイステーション2(PS2)・GC・Xboxの3機種の争いは、低迷を続けるゲーム市場を活性化させるものと期待されていたのだが、Xboxが早々に脱落した事で対決ムードに水を差した。

元々、Xboxには高い評価が下されているわけではなかった。どちらかというと、3機種の中で一番低い位置に置かれていたと言っても過言ではない。そんなゲーム機が、さらに期待を裏切るような行為をしたのだから、Xboxに対する失望感が一気に高まったのも無理はない。『元々日本は視野に入っていないようだ』(同)と答えるソフトメーカーの一言が、ゲーム業界に漂う失望感を表している。GCが発売を延期してもなお、変わらない期待をされているのとは正反対である。

だが、そんな中でもXboxのサードパーティーは着実に増加している。「Xbox Conference 2001 Summer」では新たにアトラス、フロム・ソフトウェア、ナムコの三社がXboxへの参入を正式に発表した。これで、参入を表明しているメーカーはコナミ・セガ・カプコン・テクモ・コーエー・アトラス・ナムコ等となり、ソフトメーカーの大手が揃う事になった。

これらのメーカーの間でのXboxへの評価は、必ずしも一致しているわけではない。『HDDの搭載やオンラインへの取り組みなど、MSの日本市場への“本気”を感じた』(ZDNet Japan GameSpot 「“Xboxに期待”新規参入メーカー3社がコメント」 2001年8月27日)と話し、Xboxに大きな期待をしているメーカーもあれば、その一方で、先ほどのコメントのようにXboxに余り期待していないメーカーもある。つまり、メーカー間では、Xboxに対する評価が割れているのだ。

では、どうしてメーカーの間でXboxへの評価に差が生じているのであろうか。どのメーカーにとってもXboxは同じゲーム機であるはずなのに、評価に違いが出るのはなぜなのか。今回はXboxに対しての評価の違いによって表れた、期待派メーカーと懐疑派メーカーのXboxへの参入理由を解き明かすと共に、最終的にそれぞれのメーカーで、異なった評価になってしまった背景を考えてみる事にしたい。

(つづく)

(ライター:菅井)

■ゲームニュース
ゲーム最新ニュース

PS4
PS3
PS2

PS Vita
PSP

Wii Wii U

ニンテンドー3DS
ニンテンドーDS

Xbox One
Xbox360

WINDOWS
DVD ブルーレイ

スーパーロボット大戦
テイルズ オブ
ファイナルファンタジー

ゲームニュース2007年
ゲームニュース2006年
ゲームニュース2005年
ゲームニュース2004年
ゲームニュース2003年
ゲームニュース2002年
ゲームニュース2001年
ゲームニュース2000年

■各種コンテンツ
ゲームいろいろ情報サイトマップ
ゲーム発売日
アニメ発売日
漫画コミック発売日