【コラム】「ハドソン買収 ~それぞれの目論見~」Part4
「甘いハチミツ」

タカラに利用されたようで、しっかり利用し尽くしたコナミ。この経験はハドソンへの出資に活かされている。一見すると、ハドソンにコナミの経営資源を徹底的に利用させただけに感じられるほどの今回の提携だが、こうすることでハドソンが大きな利益をあげられる企業になる事こそが、コナミにとって重要なのだ。コナミの予測通り、ハドソンが高収益企業に生まれ変われば、タカラ株と同じようにハドソン株にて大きな利益を手に出来るのだ。

今回の提携会見でコナミ上月社長は少しだけ本音を洩らした。『今、日本のゲームソフト会社は大手7社ではしっているが、いずれも株式公開会社だ。しかしハドソンはその中で、時価総額が他社に比べて1ケタ低い。ハドソンは100億円台だが他の会社は1000億円台だ。歴史、開発力を考えればハドソンはすごい会社なのに時価総額の評価は低い。そのことを考えると提携を行い、株主価値を高めることで他の会社並の地位を築くことは難しくない。…(ハドソンが)正当な評価をしてもらうように一緒にやっていきたい』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト 「ハドソン・コナミ提携会見での一問一答」 2001年7月26日)。要するに、上月社長はハドソン株の評価は、他社に比べて1ケタ低い、もっと高くなってもおかしくは無い、と言いたいのだ。

もし、仮に上月社長の言う通り、ハドソン株が時価総額1000億円程度になるためには、株価は7000円近くにならなければならない。コナミはハドソンから1株900円程度で約560万株を購入しているので、上月社長の目論見通りになれば実に1株につき約6000円の利益が生まれる事になる。それが560万株もあるのだから、大雑把に見積もってもコナミには336億円もの利益が転がりこむ。

『世の中には子会社が親会社を超えて成長した例はたくさんある。将来はそういう姿を目標にしたい。コナミの社章の周りをハチ(ハドソンの社章)が飛び交っているイメージかな』(2001年7月31日 日経産業新聞)。ハドソンの工藤社長はこう述べ、コナミを利用して飛躍する将来像を描いている。

しかし、ハチが利益という蜜を集めようとすればするほど、コナミには甘い甘いハチミツをもたらすことになる。

さて、この両社の関係がゲーム業界にもたらすものは何であろうか。双方の目論見が飛び交う、おもしろい共生関係はまだ始まったばかりである。

(おわり)

(ライター:菅井)

■ゲームニュース
ゲーム最新ニュース

PS4
PS3
PS2

PS Vita
PSP

Wii Wii U

ニンテンドー3DS
ニンテンドーDS

Xbox One
Xbox360

WINDOWS
DVD ブルーレイ

スーパーロボット大戦
テイルズ オブ
ファイナルファンタジー

ゲームニュース2007年
ゲームニュース2006年
ゲームニュース2005年
ゲームニュース2004年
ゲームニュース2003年
ゲームニュース2002年
ゲームニュース2001年
ゲームニュース2000年

■各種コンテンツ
ゲームいろいろ情報サイトマップ
ゲーム発売日
アニメ発売日
漫画コミック発売日