【コラム】「ハドソン買収 ~それぞれの目論見~」Part3
「コナミの目論見(タカラ式利用法)」

ハドソンの目論見ではコナミは自らが持っている資金・版権・販売網などの経営資源をハドソンに徹底的に利用される事になる。今後は、さらに開発子会社であるコナミコンピュータエンタテインメントスタジオを分割して、その一方をハドソンに統合させることになっているため、その傾向は一段と強まっていると言えよう。

こうしてみると、両社の関係はハドソンばかりが得をする形になってしまっている。これではコナミには、ハドソンと協業体制を築けるという以外に利するところがあまり無い。コナミは一般的に言われているように携帯電話向けのゲームやオンラインゲーム等での分野で、事業展開を優位な立場で進めるという目標だけを達成するためにハドソンに50億円もの大金を出資し、その他様々な経営資源を提供したのであろうか。ハドソンのように隠れた目論見はないのであろうか。その答えは、玩具メーカーのタカラが握っている。

タカラは2000年にコナミの出資を受け入れ、コナミグループの一員となった。2000年度のタカラは、ちょうど経営の建て直しを図っていた時期でもあったが、そういった時にコナミはタカラに33億円強の出資を行った。具体的にはタカラから、タカラの株式を一株400円、計843万株を新たに買い入れることでタカラに資金を提供したのだった。タカラと一緒になる事で、コナミはタカラの持つコンテンツを利用して新たなゲームソフトなどを開発できると期待された。

その後、タカラは「e-kara」「ベイブレード」などの大ヒット商品などにより、完全に立ち直ることになる。しかし、コナミにはタカラのコンテンツを利用した商品がヒットした、などの提携した事による効果は殆ど無かったと言っても良い。

これだけを見ると、コナミはタカラに33億円以上もの大金を、ただ出資しただけだったと思えてしまう。では、コナミはタカラに利用されただけで、何の得もなかったのだろうか。

コナミに全く利益が無く、ただタカラに利用されただけだ、と考えるのは早計だ。実はコナミは、タカラがコナミを利用する以上に、タカラを利用し大きな恩恵を得ているのだ。その恩恵とは、株式による巨額な利益だ。タカラの株価は経営の再建が評価され、近年には無い高値をつけている。八月中旬現在の株価は1500円近辺で動いている状況だ。

コナミは一株400円でタカラ株を購入しているため、一株につき1100円程度の利益があり、それが843万株もあるため、単純に考えたとしてもコナミの利益は92億円強。一方で、タカラが2001年3月期に稼ぎ出した純利益はその僅か五分の一か六分の一に過ぎない16億円なのだ。こうして考えると、コナミはタカラを最大限に利用したといえるだろう。そして、この構図はそっくりそのままハドソンにもあてはまる。つまり、コナミはハドソンを利用し尽くすために、まずコナミを徹底的に利用させたいのだ。そうすることで、ハドソンは儲かる。同時にそれは、ハドソン株の評価が高まることに繋がり、最終的にコナミには株式を通じて巨額の利益が生ずる寸法だ。コナミの目論見はこれなのである。

コナミは二匹目のドジョウを狙っている。

(つづく)

(ライター:菅井)

■ゲームニュース
ゲーム最新ニュース

PS4
PS3
PS2

PS Vita
PSP

Wii Wii U

ニンテンドー3DS
ニンテンドーDS

Xbox One
Xbox360

WINDOWS
DVD ブルーレイ

スーパーロボット大戦
テイルズ オブ
ファイナルファンタジー

ゲームニュース2007年
ゲームニュース2006年
ゲームニュース2005年
ゲームニュース2004年
ゲームニュース2003年
ゲームニュース2002年
ゲームニュース2001年
ゲームニュース2000年

■各種コンテンツ
ゲームいろいろ情報サイトマップ
ゲーム発売日
アニメ発売日
漫画コミック発売日