【コラム】「ゲームファンドときめきメモリアル」は買いか否か
ゲーム単品が投資信託の対象となるこのゲームファンド。初の試みなだけに、興味をもたれる人も多いだろう。そこで、今回は実際に投資するに値するかどうかを、対象となる2作品を検証しつつ、考えてみよう。


まず、「ときめきメモリアル3(仮)」の出荷本数はどれくらいになるのだろうか。

人気作「ときメモ」シリーズの最新作ということもあり、知名度は十分ある。このジャンル“恋愛シミュレーション”の中でも、出荷本数は他と比べ多い。昨年11月に発売された「ときメモ2」は、発売6ヶ月間で37万本が出荷されていることから、この数字を参考として出荷本数を予想するのが主となろう。


ただ、「ときメモ2」の販売の際には、秋葉原などを中心として、テレカを店舗ごとに用意し、一人に対して複数本購入させる手法がとられていた。「ときメモ3」で同様の手法を取り、出荷本数を増やすことを試みるかもしれないが、今後のテレカの需要などを考えると、「ときメモ2」の時と同じ効果を発揮できるかは疑わしい。そのため、今後、テレカに変わる“複数本購入したいと思わせる新たな人気グッズ”の登場の有無も大きな要素となりうる。

また、キャラクターの出来不出来も大きく販売に影響するジャンルなだけに、前作・前々作以上の魅力的なヒロインを生み出せるかも問題である。1作目と比べ、2作目はインパクトが薄いという印象が拭い去れないため、この調子で3作目が登場しても思ったほどの人気を集められないかもしれない。

実際にサンプル映像が放映されたが、この映像の雰囲気を良しと取るかどうかも意見が分かれるところ。今までのいかにもなアニメ調とは違うため、拒否する人も少なからず出てくるであろう。


不安要素も多々あるが、逆に期待できる部分も多く含まれる。たとえば、旧作に登場した人気キャラクターを3作目に登場させるなど、旧作とうまく絡ませれば、今まで同シリーズをプレイしてきた多くの人に興味を抱かせることも可能だろう。


昨今のゲーム業界を鑑みると、今までのように大量に出荷することは難しいかもしれない。それでも、少なく見積もっても25万本は確実に出荷できるものと思われる。また、今後同ジャンルのゲームの発売本数が少ないことから、恋愛シミュレーションファンの期待を一身に集めることも予想される。そうなると、35万本以上の出荷も期待できるのではなかろうか。


次に、女性向「新ときめきメモリアル(仮)」を考えてみよう。「ときメモ3」はデモ映像が紹介されたため判断がしやすいが、こちらはまったくといっていいほど情報がない。両方の出荷本数によって償還額が決まるため、こちらのゲームに関して慎重に考える必要があるだろう。


恋愛シミュレーションで一番肝心な“絵”がまったく発表されていないため、判断が難しい。ただ、開発がKCE東京が行うこともあり、特定は出来そうである。もちろんオリジナルで仕上げることもありえるが、「ときメモ」系のイラストでは女性はそっぽを向くであろうから、それなりの人気のある“絵”で挑戦するのではと思われる。

そこで「幻想水滸伝」のキャラクターデザイナーが参加するのではと予想したい。同ゲームはKCE東京が開発した人気RPGで、2作目は40万本を販売するほどのヒットタイトル。キャラクター人気も高く、女性を中心にコアなファンが多いとされている。下地は整っているため、安定した出荷数を考えるなら、当然このキャラクターデザイナーを使用するであろう。


次はゲーム性について考えてみよう。基本は「ときメモ」シリーズと同じになるだろうが、男性向けでは不可能な試みも出来ると思われる。それは、“女性が女性に恋をする”ことをゲーム中に入れることができる点である。男性向けのゲームで“男性が男性に恋をする”を取り上げても喜ぶ男性ユーザーはいないが、“女性が女性に恋をする”ことは、宝塚などが存在していることを考えれば、違和感はないだろう。少なくとも、前者よりかは後者の需要は高いと思われる。そして“女性が女性に恋をする”をゲーム中に取り上げたとき、女性向ゲームと謳っていても、男性ユーザーも視野に入れたものが出来上がると予想される。既存の「ときメモ」のマーケットは男性ユーザーにしかなかったが(もちろん女性ユーザーも少なからずいたが)、「新ときメモ」では、男女問わずに購入対象となりうるかもしれない。そうなれば、かなりの出荷本数が期待できるのではなかろうか。


既に他社から女性向恋愛シミュレーション「アンジェリーク」が発売されているが、それほど高い本数を出荷しているわけではない。そのため、女性向の恋愛シミュレーションに多くの期待をすることは出来ないが、やりようによっては20万本以上の出荷も夢ではないだろう。少なく見積もっても、10万本は出荷できると思われる。


投資なだけに、当然原価割れの危険性があり、また、償還時期が早くとも1年半以上先なため、簡単に投資に踏み切れるものでもないだろう。ただ、下記の条件に当てはまるのなら、挑戦してみるのもよいだろう。


一つは、「ときメモ3」限定版を確実に手に入れたい場合。若干の原価割れになってもかまわないのであれば、20口購入して限定版の入手権利を得てはどうだろうか。必ずしも原価割れになるとも限らないので、うまくいけば好きなゲームで利益が得られる喜びも付随する。

次に、2~3年先まで特に使い道のないお金が手元にある場合である。何度もいうが、投資であるため、原価割れの可能性もあるが、うまくすれば定期預金などに預けるより多くの利潤が生まれる。投資に興味があり、また、自信があるのなら、挑戦してみるのもよいだろう。


ちなみに、ここで少なく見積もった本数を元に償還予想額を見てみると、0.9125倍となっている。20口(20万円分)購入した場合は、約18万円の償還となり、2万円のマイナスが生まれるが、限定版代として1万円分を引き、最終的に1万円のマイナスになると考える。限定版にプレミアムがつき、2万円で捌けたら差し引き0になるが。(消費税・手数料は考えず)


取り扱っているものがゲームという関係上、情報公開することが難しい。そのため、発表時にいくつかの重要ファクター(「新ときメモ」のキャラクター等)が発表されない状態であった。そうした部分は自らで想像し、最終的な判断をしなければならない。

今回のコラムでは、実際に売れるようにするにはこうすれば売れるだろうということも紹介して考えたため、必ずしもこのように事が運ぶわけではない。コナミとしても、一番最初に行ったゲームファンドが失敗に終われば今後にも影響するため、確実に成功するための秘策を考えているだろうが、それも含め、投資するかどうかはご自身であることを再度述べて、終わりの言葉とさせていただく。


※ここでの「販売数」は店頭で売れた数、「出荷数」はコナミから店頭などに卸した数という意味で表現しています。


<マネックス証券>
http://www.monex.co.jp/
<コナミプレスリリース>
http://www.konami.co.jp/press/2000/10/138/r.12.10.25.html
<「ゲームファンドときめきメモリアル」(「ときメモ3」の映像あり)>
http://www.konami.co.jp/movie/index.html
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